
2026年11月04日
「赤字なのに消費税を納めなければならない」
そんな状況が、中小企業の資金繰りを圧迫しています。
物価高、人件費の上昇、売掛金の入金待ち。さまざまな負担が重なるなか、税金や社会保険料の滞納が企業の存続に関わる問題となっています。本記事では、赤字でも消費税が発生する仕組みと、納税資金が足りないときの対策を解説します。
この記事のポイント
・2026年度上半期の「税金滞納」関連倒産は前年同期の2倍
・赤字決算でも消費税の納付義務が生じる場合がある
・納税困難時は税務署への早期相談が基本
・売掛金の入金待ちにはファクタリングも選択肢
1.税金滞納による倒産が急増。中小企業に何が起きている?
東京商工リサーチが2026年10月8日に公表した調査では、2026年度上半期(4〜9月)の「税金滞納」を一因とする倒産は168件で、前年同期の84件から2倍に増加しました。同期間として過去10年間で最多です。
2026年度上半期の「税金滞納」関連倒産
168件
前年同期比 100.0%増(2倍)
※社会保険料の滞納を含む。負債1,000万円以上の倒産を対象。
物価や人件費の上昇によって利益が圧迫され、納税資金を確保できない企業が増えていると考えられます。税金の支払いを後回しにすると、事業継続そのものが難しくなるおそれがあります。
出典:東京商工リサーチ「2026年度上半期の『税金滞納』倒産動向」(2026年10月8日)
2.【重要】会社が赤字でも消費税は払わなければならない?
赤字だからといって、消費税が免除されるわけではありません。
消費税の課税事業者で、計算の結果納付税額が発生した場合は、会社が赤字決算でも原則として納税が必要です。
法人税と消費税は、課税の仕組みが異なります。法人税は原則として課税所得を基準に計算されますが、消費税は会社の利益に直接課される税金ではありません。
| 比較項目 | 法人税 | 消費税 |
|---|---|---|
| 基本的な計算基準 | 課税所得 | 売上税額-仕入控除税額 |
| 赤字の場合 | 通常は法人税額が発生しない | 納付税額が発生する場合がある |
※赤字企業でも、法人住民税の均等割など別の税負担が生じる場合があります。
赤字100万円でも、消費税50万円を納める例
次のような会社を想定してみましょう。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 年間売上高(税抜) | 1,000万円 |
| 仕入れ・外注費等(税抜) | 500万円 |
| 従業員の給与 | 600万円 |
| 年間損益 | 100万円の赤字 |
| 売上にかかる消費税 | 100万円 |
| 仕入れ等にかかる消費税 | 50万円 |
| 納付する消費税 | 50万円 |
※税率10%、原則課税、対象となる仕入税額を全額控除できる場合の単純化した例です。税額には地方消費税を含みます。簡易課税制度や特例、免税事業者の扱いは考慮していません。
この会社は年間100万円の赤字にもかかわらず、50万円の消費税を納付する計算になります。理由の一つは、従業員への給与が消費税の仕入税額控除の対象にならないことです。
特に人件費の割合が高い企業は、利益が出ていなくても消費税の納付額が大きくなる可能性があります。ただし、すべての赤字企業で消費税が発生するわけではありません。課税事業者かどうか、税額の計算方法や控除額によって納付の有無は変わります。
出典:国税庁「納付税額の計算のしかた」/国税庁「仕入税額控除の対象となるもの」
3.なぜ中小企業は納税資金を確保できなくなるのか
物価高騰と人件費の上昇
原材料費、燃料費、電気料金、物流費などが上昇しても、すべてを販売価格へ転嫁できるとは限りません。人材確保のための賃上げや社会保険料の負担増加も、中小企業の手元資金を圧迫します。
売上計上から入金までに時間がかかる
建設業や運送業などでは、請求書を発行しても売掛金の入金は翌月末や翌々月になることがあります。帳簿上では売上が立っていても、納税期限までに現金が入らないという状況が生じます。
消費税の納税資金を日々の支払いに充ててしまう
売上代金に含まれる消費税相当額を、給与や外注費などの運転資金に使ってしまうと、申告・納付の時期に資金が不足しかねません。納税時期を見越して、毎月の資金計画を立てておくことが重要です。
4.税金を滞納するとどうなる?見落とせないリスク
国税を期限までに納付しない場合、原則として法定納期限の翌日から延滞税が発生します。また、督促を受けても納付しなければ、預金や売掛金などの財産が差し押さえられる場合があります。
滞納によって起こり得る主な影響
・延滞税など追加負担の発生
・預金口座や売掛金などの差押え
・資金調達や取引先との関係への悪影響
・資金繰りの悪化による事業継続への支障
税金の支払いを先延ばしにするほど、状況が難しくなる可能性があります。納付できないと分かった時点で、早めに税務署に相談することが重要です。
5.納税資金が足りないときに取るべき対策
まずは税務署へ相談する
税金を一度に納めることが難しい場合、要件を満たせば「換価の猶予」や「納税の猶予」が認められる可能性があります。認められた場合には、個別の状況に応じて分割納付ができる場合もあります。制度の利用には条件があるため、まずは所轄税務署に相談してください。
納税資金を別管理し、資金繰り表を作る
毎月の売掛金入金、給与、外注費、社会保険料、税金などを一覧にし、資金不足が起きる時期を事前に確認しましょう。消費税相当額を別口座で積み立てる方法も有効です。
売掛金の早期資金化を検討する
「請求済みの売掛金があるのに、納税期限に間に合わない」という場合には、融資などと併せて、売掛債権を売却するファクタリングも資金調達手段の一つになります。
6.売掛金の入金待ちにはファクタリングという選択肢
ファクタリングとは、企業が保有する売掛債権をファクタリング会社に売却し、支払期日より前に資金化する方法です。一般的な買取型ファクタリングは融資ではなく債権の売買契約にあたります。
例えば、翌月末入金予定の売掛金が100万円ある場合
売掛債権を買い取ってもらうことで、入金予定日より前に資金を確保できる可能性があります。ただし、実際の受取額は買取手数料などを差し引いた金額です。
売掛先の信用力や請求内容なども審査の対象となるため、赤字決算でも利用できる場合があります。一方で、手数料の負担が大きすぎると次回以降の資金繰りを悪化させるおそれがあります。
ファクタリングは納税義務をなくす制度ではなく、売掛金の入金時期を早める手段です。手数料、契約条件、次回入金時の資金繰りまで確認して利用を検討しましょう。
出典:金融庁「高額な手数料によるファクタリングに関する注意喚起」
7.赤字決算でも相談できる「ソクデル」のファクタリング
税金の納付予定が近づいているのに、売掛金がまだ入金されない。そのような一時的な資金不足に備えたい事業者様は、ファクタリングサービス「ソクデル」にご相談ください。
ソクデルの特徴
AI×専任担当者のハイブリッド審査
AIによる効率的な確認と担当者による個別事情の確認を組み合わせ、スピーディーかつ丁寧な対応を目指しています。
赤字・債務超過でも相談可能
赤字や債務超過のみを理由に、必ずしも買取をお断りするものではありません。売掛先の信用力や取引内容などを総合的に審査します。
最短即日の資金調達に対応
オンラインでの手続きに対応しており、スケジュールの合う案件では早期資金化を目指せます。
2社間ファクタリングに対応
売掛先への通知を伴わない形で進められる案件もあります。実際の取り扱いは契約条件や審査内容によります。
すでに税金を滞納している場合の注意点
ソクデルの公式Q&Aでは、税金や社会保険料の未納があり、分納手続きをしていない場合は買取をお断りする旨を案内しています。滞納がある場合は、まず税務署等に相談し、納付手続きについて確認してください。
出典:ソクデル公式Q&A
まとめ|消費税の納税資金は「赤字だから大丈夫」と考えない
2026年度上半期の「税金滞納」関連倒産は前年同期の2倍に増えました。厳しい経営環境だからこそ、納税資金を含めた資金繰り管理が必要です。
最も重要なのは、「会社が赤字でも、消費税の納付税額が発生する場合がある」という点です。消費税は利益だけで決まるものではありません。納税時期が近づいてから資金不足に気付くことがないよう、早めの準備を心掛けましょう。
納税が難しい場合は税務署への相談が基本です。そのうえで、売掛金の入金待ちによる一時的な不足には、ファクタリングを含めた資金調達方法を比較検討することが大切です。
売掛金の入金待ちでお困りなら
ソクデルにご相談ください
赤字決算でもご相談可能。
AI×専任担当者のハイブリッド審査で資金調達をサポートします。
※ご利用には所定の審査があり、買取可否や入金時期は案件によって異なります。
参考資料・出典
- 東京商工リサーチ「2026年度上半期の『税金滞納』倒産動向」(2026年10月8日)
- 国税庁「消費税の基本的なしくみ」
- 国税庁「納付税額の計算のしかた」
- 国税庁「仕入税額控除の対象となるもの」
- 国税庁「国税を期限内に納付できないとき」
- 国税庁「納税に関する総合案内」
- 金融庁「高額な手数料によるファクタリングに関する注意喚起」
- ソクデル公式サイト「Q&A」
※本記事は2026年11月4日時点の公表情報をもとに作成しています。実際の消費税の申告・納付は事業者の状況によって異なるため、税理士または所轄税務署へご確認ください。
カテゴリ:ソクデル情報館




